
チャートを見てると、日経平均株価が上昇しているのに、円が売られていることがあるんだけど、これってなんで?
日経平均株価が上昇してるなら、日本の好景気を感じ取れるから円が強くなると思うんだけど…

まあ、円の強さは日経平均株価だけが要因で決まるものじゃないから何とも言えないけど、日経平均株価が実体経済と離れて独り歩きした数値を出す時が稀にある。それについて解説しよう
日経平均は操作されている?
以前の記事で、為替は個人では操作できない。ということを書かせていただきました。
少しおさらいすると個人で為替を操作できない理由は大まかに下記の理由でした。
そもそも証券会社を通してトレードしている状態では、基本的に市場に注文は流れていない(B-BOOK)
直接市場に注文を流すためには、インターバンク市場へ直接アクセスする必要があるが、それも下記の理由から難しい。
1、参入要件が厳しい
・最低取引額:通常1000万ドル~
・必要な与信枠:数億ドル規模
・厳格な審査(財務状況、取引実績等)
・コンプライアンス体制の整備が必要
2、プライムブローカレッジ(PB)契約がの壁
・数十億円規模の預託金が必要
・大手投資銀行との契約が必要
・年間数億円規模の取引手数料が発生
(詳しくは下記ページを参照)
【誰も教えてくれない】為替相場は操作可能か?
このように、基本的に為替の操縦は難しいという結論でしたが、それはあくまでも【為替】の話。
【株価】は個別株の売買を想像してもらえばわかるように、直接市場に注文を流すことができます。実際、小さな企業の株であれば個人レベルで株価操縦が可能です。
ここで最初のクエスチョン。日経平均株価は誰かの思惑で操作することはできるのでしょうか?
答えはYESです。
現に日銀はETFの購入で株価の下支えを行うことがありますし、大口投資家や機関投資家が大量の売買を行うことで結果として指数に影響を与えることがあります。
日経平均は海外投資家のおもちゃなのか?

現在の東証の売買代金の約6~7割は海外投資家が占めていると言われています。彼らの多くは、ヘッジファンドや機関投資家などの大口のプレイヤーであり、特に先物市場で積極的に売買を行います。
先物市場の価格変動は現物価格に大きな影響を与えます。例えば、先物市場のレートが上昇してる場合、それにつられて現物価格は上昇しやすくなる、というイメージです。
ここで問題になってくるのが、先物市場ではレバレッジがかけやすいということです。少ない資金で大きなポジションを持てるという特性上、海外ヘッジファンドのショートスクイーズ(空売りの巻き戻し)やポジション調整で急騰急落が起こりやすくなります。
上記の理由によって生じた相場の急変動によって、日経平均自体が海外投資家のおもちゃのように扱われているような動きをすることがあるのです。

実際、雇用統計やFOMC直後は日経平均先物のレートも大きく動くよ
為替への生かし方
最初にも述べた通り、あくまでも指数は為替を動かす要因の1つにすぎません。また、指数は通貨の今後を予測するものではなく、現在の値を示しているにすぎません。
為替で戦う時の重要ポイントを抑えら意しておきましょう。
1:流れ
2:波形
3:フィルター
日経平均などの指数を見るのは、3:フィルター としての用途だけです。
日経平均が上がっているから、日本の好景気を期待して円を買おう!こんな感じでエントリーしていては、いつまで経っても勝てるようにはならない。これは勉強会に入ってくれてる人ならみんなわかってると思う。
逆に、流れと波形を見て円を買いたいと判断した上で、日経平均を見る。日経平均が(海外投資家に操作されて)大幅に下落しているなら見送ればいい。たとえ、海外投資家のおもちゃのように扱われて、流れや波形とずれた動きをしていたとしても、それによって我々が損失を被ることはない。あるのはただ、エントリーを見送るというだけ。