ファンダメンタルズって何か知っていますか?
FXトレードにおいては、「経済指標を眺めてトレードすること」だと勘違いしてる人が多く居ます。そもそも、それは本来のファンダメンタルズ投資ではないかもしれません。
◇基礎知識
ファンダメンタルズとは、もともとは「株の用語」。
経済活動の状況を示す基礎的な要因を指すので、多くのFXトレーダーが考える「経済指標を取り入れるトレード」という部分自体は間違っていません。
しかし、本来のファンダメンタルズとは「国」の経済活動のみではありません。企業の財務状況や業績などの要素もファンダメンタルズとなります。つまり、マクロだけではなくミクロも見るものがファンダメンタルズの本質となります。
一例として、財務諸表から読み取るもの項目を挙げてみます。
貸借対照表
貸借対照表とは、バランスシート(balance sheet、B/S)と呼ばれるもので、企業の資産と負債、純資産の状況を記載したものです。貸借対照表からは、総資産に占める純資産の割合を示した自己資本比率や、有利子負債の状況を把握することができます。自己資本比率が40%以上、有利子負債が50%未満であれば、財務状況は健全だと言えるでしょう。
損益計算書
損益計算書(profit and loss statement、P/L)とは、企業のある一定期間の収益と費用の損益計算をまとめた財務諸表の1つです。
損益計算書で特に把握しておきたいのは、企業の本業での損益を表す営業利益です。売上高に対する営業利益率が高ければ、付加価値の高い商品・サービスがあり、業務効率が高いという判断ができます。
キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書とは、企業の現金がどのように増減しているかを表した書類です。売掛金や買掛金は排除され、実際の現金の出入りが明確にされています。そのため、資金繰りが悪化して黒字倒産する可能性などを確認することができます。
以上の財務諸表などのファンダメンタルズをもとに、株価の値動きなどを予測することを「ファンダメンタルズ分析」と言います。
また、分析指標として、PERやPBR、ROE、ROA、時価総額などがありますね。
◇思考の落とし穴
さて、少しFXからズレたので、話を戻していきます。
「赤字」って悪いことだと思いますか?
というのも、なぜか「経済指標が赤字だと、マイナスだ」という嘘ばっかりのニセ経済エコノミストに騙されている人が多いので。
経済指標が悪くなったのに買われる動きをしたことありますよね?その話です。
赤字は、戦略の数字でもある。
例えば、決算が赤字の企業を見てみると、1位はソフトバンクだし、2位は楽天グループです。
大手なのに?と思うかもしれませんが上場企業で赤字企業なんて、多くあります。でも、とんでもなく儲かっています。赤字なのに、儲かっているんです。
詳しくは割愛しますが、本質は赤字か黒字かではなく「資金繰り」です。この辺りは、そこそこの大学を出ていれば常識で退屈な話だと思いますが、要は「経済指標を眺めて、悪くなったから=ダメ」というわけではないんです。
まず負けてるトレーダーは、1000%勘違いしています。追うべきは表面上の数字ではなく「循環する資金」です。まぁ、素人でこの辺りをキャッチアップするのは不可能なので「赤字=あかん」と思わないことが大事と留めてください。
普通に売ってる本だって素人が書いてるし、ネットの記事なんて投資すらやったことない人が書いてますし、あなたがファンダメンタルズと思っている「ソレ」は、どんな一流プロに直接習ったものだっだでしょうか。
◇整理すべきこと一覧
ファンダメンタルズとは、経済指標を眺めることでもなければ、数値の増えた減ったを比較することではありません。
書籍やネットの知識で学んだのなら、普通にただの間違いですから、忘れるかちゃんと勉強した方がいいと思います。簿記とかとってみてもいいと思いますよ。
チャート=ファンダメンタルズでもある。
そもそも、みんな見てるチャートはファンダメンタルズ要素を経て形成されたチャートなので、波形を見ることでもファンダメンタルズ要素は拾えます。ここに、素人のこじ付けで、テクニカルやファンダメンタルズと称した謎の何かで分解しようとする方がおかしいくらいで。
株価や為替は「予測できない」
そもそも経済を正しく知っても、株価や為替は予測できないので、「予想するための勉強や検証」であればズレている。ただ、無論無駄ではないということもちゃんと書いておきたい。
経済指標についての間違い
経済指標をまとめているサイトは多くある。特に優劣はないので、UI的に見やすいサイトでいいと思うんだけど、一つ言いたいのは
「これで全部だと勘違いしてない?汗」
そもそも、ほとんどのニセエコノミストや、SNSの数字稼ぎたちは重要そうなものだけピックアップしてコピペを繰り返しているんだけど、全然全部じゃないです。むしろ完全に世界全体を網羅したサイトはないんじゃないかな。
上記のような感じで海外サイトで見ると、また違った角度から経済指標がまとめられている。
要は「何をまとめているか」ということで。みんな日本のトレーダーが見ているものは、ありていで言うと「なんとなく重要そうなものをまとめたリスト」である以上の何物でもないので、よくわからない動きをした場合は違う経済指標が動かしている可能性が高い。
目に見えるもは一部だね
◇【最初の一歩】はじめてのファンダメンタルズ指標
まず、僕も経済エコノミストではないからえらいことは言えないけど、誰でもできるファンダメンタルズ要素の取り入れ方を紹介します。
日経平均株価
プラットフォームはなんでもいいけど「日経平均株価」はめちゃ重要です。最重要のひとつまである。(世界経済のおもちゃでもあるけど)
まず日経平均株価が下がってきている局面(ローソク足ではなく中期的な流れがね)では、景気悪化の可能性がある。つまり、市場のなかのリスク通貨は、買われづらく売られやすくなる要素が増える。無論、その通りになるわけではなくてね。
例えば、AUDやNZDといったオセアニア通貨は、日経だけではなく世界の景気に左右されやすいので、日経平均を先行としてみていくと、少なくとも「下がっている場合は簡単には買えない」ことが期待値のある立ち回りとなる。
例えば下の画像の赤丸の最も勢いよく最低に落ちているところは、コロナ発生~ワクチン生成のタイミング(AUDJPY)
この辺りは僕のTwitterでも出しているので参考にしてみてほしい。
まずは一つずつ丁寧にみてみよう!
◇まとめ
まとめると、経済指標の数字が増えたか減ったかを眺めるのはファンダメンタルズですらないし、数字にはいろんなトラップがある。あとは日経平均のようなインデックスのチャートをみることでもファンダメンタルズ要素は取り入れることは可能です。
一番の害悪は、チャートの予想をファンダメンタルズとして上がるとか下がるとか適当なこと言ってる人なんだけどね。
そもそも、上がる下がるって投資助言免許ないと違法ですらあるから、そういう人のフォローは外すことからファンダメンタルズトレードをしてみてはいかがでしょうか。